高知論叢107号

高知論叢107号 page 4/180

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2 高知論叢 第107号    (5)医療区分1の患者の状況    (6)「在宅」医療・介護の現状,問題点,課題  5.まとめ 第3章 高知県における「無医地区」の現状  1.高知県における「無医地区」の概....

2 高知論叢 第107号    (5)医療区分1の患者の状況    (6)「在宅」医療・介護の現状,問題点,課題  5.まとめ 第3章 高知県における「無医地区」の現状  1.高知県における「無医地区」の概要  2.「無医地区」住民の医療ニーズと医療アクセス  3.「無医地区」における医療アクセスに関する検討課題 おわりにはじめに2006年に成立した医療制度改革関連法にもとづき,2008年に老人保健法が全面改定され,「高齢者の医療の確保に関する法律」が制定された。これにより,後期高齢者医療制度が施行され,高齢者医療における「医療費適正化」を目的に療養病床の廃止・削減などの方針が示された。その主な内容は,2012年度までに約13万床の介護療養病床を全廃し,医療療養病床を約25万床から15万床にまで削減するというものであった。この大きな改革を進めるためには,医療機関が療養病床への入院患者のうち,退院可能な患者を他の施設や在宅へ移行させることが必要であるが,療養病床の入退院を医療機関がより厳格に管理せざるを得なくなるよう,患者の医療「必要度」を測るものとして「医療区分」が持ち込まれた。また,在宅医療を進め,終末期のケアも積極的に行うことを企図する診療報酬改定も行われた。2008年から施行された後期高齢者医療制度においては,後期高齢者のみに適用される新たな診療報酬科目がいくつか導入された。主には,①後期高齢者診療料,②後期高齢者終末期相談支援料,③後期高齢者特定入院基本料である。これらは,特に後期高齢者や終末期を焦点に受診抑制策を招くことや,また保険点数も実態からかけ離れたものであったこともあり,施行後廃止または見直しが迫られた1。こうした状況を背景に,本調査研究は高知県における高齢者医療の現状を1 伊藤周平〔2008〕参照。