高知論叢107号

高知論叢107号 page 44/180

電子ブックを開く

このページは 高知論叢107号 の電子ブックに掲載されている44ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
42 高知論叢 第107号価値を置き,そのための治療をもっとも重要な医療の機能としてとらえてきた医療のあり方から大きく転換すべき時代にあることは確かである。疾病や障害を抱える人々が,尊厳をもって健やかでかつ....

42 高知論叢 第107号価値を置き,そのための治療をもっとも重要な医療の機能としてとらえてきた医療のあり方から大きく転換すべき時代にあることは確かである。疾病や障害を抱える人々が,尊厳をもって健やかでかつ自らが望む生活を続けられるよう,必要なケアや社会的な支援を保障すべきことはいうまでもなく,その内容も「治療」から「治療とその先」へと,医療に求められる役割も変化しつつある。今後,プライマリケアや療養といった機能や診療構造を再検討し,医療提供体制のなかに新たに位置づけ,再構築することが必要ではないだろうか。本調査研究は科学研究費補助金を受けて2009年度から2012年度にかけて行った調査研究(「高知県における高齢者医療の現状と課題-新たな保険化と医療費適正化対策の検証-」,研究種目:若手研究B,課題番号:21730448,研究代表者:西島)の一環として行ったものである。この間,西島の主に4年生ゼミ生とともに研究会などを実施し,資料収集をはじめ,アンケート調査の設計などに関して検討を重ね,さらに予備調査やヒアリング調査の実施に際しても協力を得ることができた。特にデータの入力や集計において貢献をしてくれた近藤佳奈さん,初村朋華さん,明神義廣さん(以上2010年度当時4年生),辻本祐実さん(2012年度当時4 年生)に記してお礼を申し上げたい。なお執筆については,西島がはじめに,第1章,第2章1~3および5,第3章,おわりにを分担し,行貞が第2章4を分担した。最後に,多忙な時間を割いて,アンケート調査をはじめ,予備調査やヒアリング調査などにご協力くださった医療機関の関係者の方々,患者の方々,仁淀川町保健福祉課の関係者の方々と仁淀川町の住民の方々に記してお礼を申し上げます。ありがとうございました。の世紀」として提示している。そのうえで,QOL などの新たな価値を追求するものとして,予防,治療,支援を統合的に提供する「包括ケアシステム」の構築を21世紀の医療政策の中心課題としている。