高知論叢107号

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6 高知論叢 第107号いる。病院の病床別にみても,一般病床では23.6日と全国平均(18.2日)の約1.3倍と全国でもっとも長く,療養病床では198.8日であり全国平均(176.4日)の約1.1倍,介護療養病床では392.1日となり....

6 高知論叢 第107号いる。病院の病床別にみても,一般病床では23.6日と全国平均(18.2日)の約1.3倍と全国でもっとも長く,療養病床では198.8日であり全国平均(176.4日)の約1.1倍,介護療養病床では392.1日となり全国平均(300.2日)の約1.3倍である。図表4 平均在院日数高知県高知市全国平均全病床52.3 47.9 32.5 一般病床23.6 23.6 18.2 療養病床198.8 235.4 176.4 介護療養病床392.1 474.6 300.2出所:「平成22年医療施設(動態)調査・病院報告」2011年10月さらに,中核市である高知市の状況をみると,療養病床で235.4日と全国平均の1.3倍,介護療養病床では474.6日と全国平均の1.6倍ときわめて長期化している。中山間地の療養病床あるいは介護施設の不足,急激に進む高齢化,高齢世帯の増加などを背景に,とくに高齢者が県中心部の医療施設に入院せざるを得ない状況が想像できる。したがって以下では,医療施設の偏在など,高知県内における「地域間」格差をみてみる。3.高知県における医療施設の地域間格差高知県における二次医療圏は「安芸」,「中央」,「高幡」,「幡多」の4 つに分かれており,県内人口の割合は,高知市の属する中央圏に72.6%,安芸圏に7.0%,高幡圏に8.0%,幡多圏に12.3%である2。高知県は先にみたとおり,一般病床,療養病床,回復期病床,精神病床の多さが突出している一方,中央圏以外の周辺部における医療過疎が顕著であり,医療施設と病床,それに伴う医療従事者の偏在が著しい。「平成22年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると,施設総数137のうち,約74%が高知市を含む中央圏に属し,約49%が高知市に集中している一方,安芸圏,高幡圏に属するのはそれぞれ約6 %であ2 高知県「高知県推計人口調査」(2012年10月1 日現在)参照。