高知論叢108号

高知論叢108号 page 109/136

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限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり1072011年3月には東日本各地が震災に見舞われた。岩手県釜石市平田の仮設住居エリアでは,新たなコミュニティづくりが,一般ゾーン(180戸),子育てゾ....

限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり1072011年3月には東日本各地が震災に見舞われた。岩手県釜石市平田の仮設住居エリアでは,新たなコミュニティづくりが,一般ゾーン(180戸),子育てゾーン,ケアゾーン(60戸)という形で機能分担させながら進められている。その平田地域では,仮設住居とサポートセンター併設の診療所との間で毎日,テレビ電話で看護師とコミュニケーションをとることができる。医療,介護の正職スタッフが20名おり,ここが包括ケアの縮図になっているという。また,仮設住宅各戸は朝・夕,1日2回,孤立化していないか巡視される。知らない人同士が集住しているため(山田町~陸前高田市),各戸から出てくるとお互いが顔を合わせるように,仮設住居の玄関口をわざと向かい合わせにしている。アルコール依存症や完全ひきこもりの人はゼロになったという。岩手,宮城では,避難所段階から仮設住居段階に進み,さらに復興住宅段階に向かっているが,その復興住宅でも,新たなコミュニティづくりを考えなければならない。岩手県釜石市平田(2013. 2. 18) 岩手県釜石市平田(2013. 2. 18)岩手県大槌町では,町全体が壊滅的な被害を受けたが,そこでも,共生の居場所づくりが進められている。高齢者から子どもまで集まれるサポートセンターができている。140戸の仮設住居から一日当り10数名~20名程度がセンターに来所するが,来所しない人の安否確認,移動販売や買い物支援もおこなわれている。大船渡市三陸町では,壊滅的な打撃を受けた老人ホームもあるが,そこの職員さんは諦めずに,小規模多機能型居宅介護を仮設住居で始め,泊まり,通い,訪問を組み合わせたサービスが実施されている。その隣では仮設のグループホームが運営されている。さらに,同じ集落どうしの人が仮設住居に住めるようにして,朝,皆で体操をしたり,仮設の集会場を活用した新たなコ