高知論叢108号

高知論叢108号 page 87/136

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限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり85立って,「なぜ,触法障害者の地域生活移行,定着は困難なのか」というテーマについて,関係者間でPCM 手法を使いワークショップを行った(2011. 1. 1....

限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり85立って,「なぜ,触法障害者の地域生活移行,定着は困難なのか」というテーマについて,関係者間でPCM 手法を使いワークショップを行った(2011. 1. 14)。関係機関の連携に向けた課題が非常に大きい。そして,情報の壁,受入先の壁,支援者の壁,意識の壁,専門分野の縦割り意識の壁などの存在が明らかになった。触法障害者が,地域に戻る時に,なぜ,どういう困難があるのかをピックアップして,それを皆で共有化し,さらにその原因はどこにあるのか,というように,原因を遡って解決策を探っていく。保証人がいないこともある。たとえば,個人に負担を集中させないために,高知県ではNPO(「あまやどり高知」)が連帯保証人になる活動も始まっている(2012. 9. 18)。そして,原因分析をふまえて,解決策をそれぞれの課題に対して皆で考えて共有化してゆくことが目的分析になる。高知県内では,教員,学生,主婦,診療所の看護師等が,一緒に誰でも参加できるという形で夜回り(パトロール)を行うボランティア団体(「ホームレス支援と貧困問題を考えるこうちの会」通称ネットホップNetwork for the Homeless and the Poor inKochi)が立ち上がっている(2012. 9. 26)。ホームレスかどうかは,見ただけではわからない。時間帯によって,見かける人が異なる。たとえば,お遍路さんかなと思ったら,ホームレスであったり,話をしてみないとホームレスであるかどうかはわからない。公園やネットカフェで夜を過ごす人もいる。ハウスレスではないがホームレスという人もいる。一応,物理的な家はあるが地域の中で受け容れてくれない,隣近所の中でいたたまれない,そういった人が夜,歩き回り出す。「心の居場所」がないという意味でホームレスな人もいる。ネットホップでは,生活困窮者を生活保護につないだり,無料低額診療事業につなぐ取り組みもおこなっている。地域のホームレスに対する目が厳しい場合もある。70歳近くのホームレスは,小便の入った空き缶を高校生に投げつけられたり,市民に財布を盗まれたり,2012. 1. 18 ホームレス支援(ネットホップ)