高知論叢108号

高知論叢108号 page 88/136

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86 高知論叢 第108号自分の持ち物を捨てられる,という経験をしている。市民から見れば,公園にいるホームレスは怖いと見られているが,ホームレスの方にうかがうと「市民が怖い」という声を聞いた。寒い時期に地下....

86 高知論叢 第108号自分の持ち物を捨てられる,という経験をしている。市民から見れば,公園にいるホームレスは怖いと見られているが,ホームレスの方にうかがうと「市民が怖い」という声を聞いた。寒い時期に地下でお会いした80代のホームレス男性に,収入について尋ねたところ,「2カ月で年金が4万円」であり,「この地下も午後11時に閉まるから,夜中はずっと歩き回ります。また昼になったら寝ます。」との返事なので,「それはちょっとあまりにも厳しいですよ。生活保護制度がありますから明日必ず市役所に来て下さい。」と言うと,「わかりました。ありがとうございます。」とにこやかに返事されたが,翌日,姿を現さなかった(2013年1月)。その方とは,それ以来会えていない。現在,四国各県すべてにホームレス支援を行う団体があり,学生もその中に入っている。四国各県で,年1回の交流会もある。厚生労働省の調査によれば,高知県では,5人(2010年),8人(2011年),5人(2012年),4人(2013年)という状況であるが(注11),高知市内の特定のエリアを90分程度回っただけでも,それ以上に多くのホームレスと出会うこともあり,正確な実態については疑問が生じる。生活保護の適用,医療の確保,住居の確保,仕事の確保,居場所づくり,文化活動支援など,色々な支援課題がある。そして,元ホームレスの方や,現在ホームレスでありながら,他のホームレスの方を気にかけている人もいる。児童についても,不審な事件に巻き込まれることがある。高知県には,高知県立大学を中心に,高知大学や高知工科大の学ホームレス支援四国交流会援(2012. 2. 4)学生と地域による児童の下校見守り(2012. 3. 14)