高知論叢108号

高知論叢108号 page 89/136

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限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり87生にも参加対象を広げながら,地域の人と一緒になって下校時の見守りをしている学生ボランティア・サークル(「YCPK」Young Crime Prevention inK....

限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり87生にも参加対象を広げながら,地域の人と一緒になって下校時の見守りをしている学生ボランティア・サークル(「YCPK」Young Crime Prevention inKochi)がある。小学生や保護者から見れば,見守ってもらっているという安心感やお姉さん世代とのコミュニケーションを図る契機となっている。高知県佐川町では,子ども支援ネットワークに関して,先進的な取り組みとして全国的にも知られている佐川方式がある(注12)。町内を9つの地域ブロックに分け,各地域ごとに学校教員,保育士,民生委員・児童委員,行政職員等が,「佐川子どもと歩む会」というネットワークを作り,現在は要保護児童対策地域協議会となっている。ネットワークは10年以上前から行なわれており,各地域単位で多職種によるケース検討会がおこなわれ,虐待,非行,不登校,養育,障害等の様々な課題に対して,地域単位でチームアプローチをおこなっている。2013年6 月に「子どもの貧困対策法」が成立したが,貧困と学力が関連することがある。母子家庭で生活が大変になってくる中で,子どもに目が向かなくなり,生活環境が乱れ,子どもにとっては学習環境が得られなくなることがある。そうすると,学校に対する気持ちも薄れ,不登校になり,引きこもりになることもある。それに対して母親も積極的に学校につなぐ意欲,生活意欲を低下させていることがある。それが,その子の進学問題や,さらに就職問題を生み出して,貧困が再生産されているということがある。あるいは,まだ若い10代で妊娠をしたり,安定した仕事に就けなくなり,という形で,世代間を越えて貧困が再生産される,といったことがある。高知市は「チャレンジ塾」と称して学習支援をおこなったり,無料低額診療事業をおこなっている診療所が学生を募って,貧困家庭等の子どもの学習支援にあたったりしている。高知県内の児童養護施設からも,虐待を受けた子どもなど, 児童養護施設学習ボランティア事前学習会(2013. 7. 29)