高知論叢108号

高知論叢108号 page 90/136

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88 高知論叢 第108号落ち着いて勉強する環境が不十分であった子どものための学習支援が求められたことから,高知県立大学の学生を中心に,施設長や弁護士,スクールソーシャルワーカーによるボランティア講座を受けた学生40名が学習支援活動を始めている(2013. 8. 19)。Ⅱ 共生の拠点づくり~高齢者,障害者,児童の垣根を越えた居場所づくり~個別支援に加えて,地域の中のサークルのように,まさに円のように集うことによって地域課題を解決する共生型拠点づくりの方向が考えられる。高知県では,「あったかふれあいセンター」が現在,全市町村に共生型の地域福祉の拠点,「高知型福祉」として作られるようになってきている。高齢者も障害者も児童も当たり前のように集まれる「居場所づくり」が進められている。「孤立化」には様々な要因がある。集いの場などに誘いたくないとされている人,認知症や精神障害による問題行動によって浮いた存在になってしまっている人,集団の中に入ることへの不安を持っている人,集いの場への移動手段がない人,そして自ら関係を断とうとしているような,セルフネグレクトの場合もある。高知県内の中山間地における居場所づくりの評価に関わるなかで,少なくとも以下の孤立化要因があると考えられた。孤立化の要因① 誘いがなかったり,知らなかった(誘い方・広報の問題)② 周囲が敬遠(認知症や精神障害による「問題行動」)③ 自分のニーズや好みに合う活動内容や機会が乏しい④ 集まる機会自体が少ない⑤ 地域の人づきあいが乏しい⑥ 集団の中に入ることへの不安⑦ 集まり場が,特定のグループに専有化されている⑧ 地域に仲間がいない,一緒に参加する人がいない⑨ 移動手段がない,不十分⑩ セルフ・ネグレクトや自死