高知論叢108号

高知論叢108号 page 95/136

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限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり93い思いの人が悩みを共有したり,友人が増える居場所になっている。ただ,「しーさいど鎌倉」と同様,高知市の意向により,2013年度からの「あったかふ....

限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり93い思いの人が悩みを共有したり,友人が増える居場所になっている。ただ,「しーさいど鎌倉」と同様,高知市の意向により,2013年度からの「あったかふれあいセンター」としての継続が完全になくなったため,現在は,ボランティア活動として継続されている。高知県北川村でも,高齢者だけではなく,障害のある人が料理を作って高齢者にふるまったり,若い母親が子どもを連れてくるというように,子どもも高齢者も障害者も集える「居場所づくり」が進められている。その中で見守り機能,介護予防機能などが果たされている。地域の中で気になっている人がいたら,それを社協や保健師が受け止めてすぐに対応し,出かけていく。そのような北川村における「あったかふれあいセンター」は村内どこに住んでいても利用できるよう,中心部(2ヶ所)とサテライト(10ヶ所)に分かれて運営されている。ボランティアがボランティアを連れてくるという形で得意部門別のボランティア(食べさせ隊,交ざり隊,出かけ隊,助け隊)が共生拠点の運営を支えている。中芸5か町村では,「自分たちがなぜそういう居場所を作る必要があったのか,それによってどういう課題を解決しようとしたのか,目標を達成できたのか,できていないとすればどういう工夫の余地があるのか」などという形で,保健師,社協職員,そして地域のボランティアを含めたふり返り評価の会が定期的におこなわれ,利用者の声も聞きながら,より良い居場所づくりが進められている。共生の拠点づくりの全国のパイオニアが,富山県富山市のNPO「この指と~まれ」の理事長である惣万佳代子さんら元・看護師仲間3人であり,制度のないところで自分達の福祉の形を紡ぎ出してきた。1993年に何の補助もない状況で自分達の退職金だけで始められた。その後,介護保険が始まり,支援費制度や障害者自立支援法が施行され,それらの制度活用も進められる。「なぜ,北川村(2011. 8. 24~25)