高知論叢108号

高知論叢108号 page 96/136

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94 高知論叢 第108号高齢者も障害者も子どもも一緒にしているのか?」という筆者の質問に対して,惣万さんからは,「それはよく尋ねられる質問ですが,私から言うと逆です。私からすれば,なぜ高齢者だけ,障害者だ....

94 高知論叢 第108号高齢者も障害者も子どもも一緒にしているのか?」という筆者の質問に対して,惣万さんからは,「それはよく尋ねられる質問ですが,私から言うと逆です。私からすれば,なぜ高齢者だけ,障害者だけ,子どもだけ集めるのですか。そっちの方が不自然ではないですか。私たちはそれが普通だからやっているだけです。」という返事を受けた。近隣住民からは,様々な人が集まる拠点に対して,警戒の目で見られた。住民の理解を得るのに何年もかかったという。そしてようやく,警戒していた住民の口から,「私たちは何をすれば良いでしょう。」という言葉を聞いた惣万さんは感動し,「いざという時,駆けつけてほしい。」と頼んだという。神奈川県川崎市宮前区野川地域で,素人であることにこだりながら「ご近所力」を発揮して,住民の生活課題に積極的に取り組んでいる「すずの会」も,地域福祉学会実践優秀賞を受賞するなど全国的に注目されている(注13)。人口2万8500人,面積2.65平方㎞という人口過密地域で老人クラブ「憩いの家」の一部を活用しながら,子どもが同級生である5人で始められたミニデイの年間利用は2万人,利用者の平均要介護度2.5以上である。車の送迎ボランティア5名以外に徒歩で付き添う徒歩ボランティアもいる。地域の「気になる人」580名分のマップづくりが月1~2回のペースでおこなわれてきた。視察当日の利用者は32名(ほとんど送迎対象)に対して,ボランティア40名であり,男性ボランティアも多い。囲碁の相手をすすずの会(2013. 8. 26 視察)ボランティア反省会富山県「このゆびと~まれ」(2012. 10. 18)