高知論叢108号

高知論叢108号 page 99/136

電子ブックを開く

このページは 高知論叢108号 の電子ブックに掲載されている99ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり97村の地域福祉(活動)計画の策定方法はおおよそ3つの類型に分けられる。市町村全体計画を策定してから,各地区単位の地域計画を考えてゆく下向法,地....

限界集落における孤立化防止と共生の居場所づくり・地域づくり97村の地域福祉(活動)計画の策定方法はおおよそ3つの類型に分けられる。市町村全体計画を策定してから,各地区単位の地域計画を考えてゆく下向法,地域計画を先行させたうえで,市町村全体計画を集約する上向法,両計画を同時並行で進めてゆく並行型がある。土佐清水市には,1998年の豪雨で水害被害に遭った時に,人の被害が一人も出なかった下川口地区がある。地区計画の策定に当たって,当時の状況を振り返りながら,「なぜ人の被害が出なかったんですか」と尋ねると,「住民が互いのことを良くわかっている,自分の命を確保した上で,誰の所に駆けつけるべきかは自分達の頭の中にあるからです。」という回答を得た。それは,まさに目に見えない宝物がその地域に根付いていることを意味する。そのような教訓もふまえて,「災害に負けない地域づくり」に取り組まれている。香美市物部地区では,大人だけで地域づくりを考えるのではなくて,中学生(1~3年生全員で30名程度)が地域に入り,高齢者の方に生活で困っていることを尋ね,道端の石を拾い除けたり草刈りすることで困っているということを知り,中学生も自分達でできることをやろうと手伝う体験等をしている。そのような体験をふまえ,人と人とのつながりを大切にしたいと中学生自身が振り返るようになってきている。そのような若い世代を含めて,地域の生活課題に対して,どのように解決すればよいのかを住民が主体的に考え,動土佐清水市下川口地区第二期(地域)計画(2012. 9. 21)香美市大栃中学校地域課題解決に向けた取組み(2012. 5. 14)