109号

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集落活動センターを拠点とする高知型地域づくり21る(注6)。本稿においては,基本的に後者の立場に依拠しながら,小田切らが示す「小さな拠点」(注7)を軸とする地域づくりの形成・持続要因を高知県内の集落活動....

集落活動センターを拠点とする高知型地域づくり21る(注6)。本稿においては,基本的に後者の立場に依拠しながら,小田切らが示す「小さな拠点」(注7)を軸とする地域づくりの形成・持続要因を高知県内の集落活動センターに即して具体的に明らかにしようとするものである。Ⅰ 高知県内各地区集落活動センターの取り組み(1)本山町汗見川地区集落活動センター本山町は,四国山地の中央,吉野川流域に位置し,高知市北方約20㎞に位置する。町土の89.1%は急傾斜の山林で,南は南国市,香美市土佐山田地区に連なり,西は土佐町,東は大豊町と境し,集落・耕地は標高250m ~740m の間に点在している。本山町は,2013年3 月31日現在,総人口3,833人(県下34市町村中25位),高齢化率41.4%(県下7 位),年少人口(15歳未満)割合8.8%(県下26位),生産年齢人口(15~64歳)割合49.2%(県下29位)という状況にある(注8)。以下の通り,本山町汗見川地区の山下文一氏(汗見川活性化推進委員会会長)を中心に,「高知ふるさと応援隊」(総務省の事業で地方自治体が都市住民を受け入れて委嘱し,地域おこし活動や農林漁業,住民の生活支援などの地域協力活動に従事する「地域おこし協力隊」や,地元から雇用する「集落支援員」などの人材を包括した高知県における呼称)や事業推進員(高知ふるさと応援隊を終了後,集落活動センター事業の活動支援を担う),町まちづくり推進課への聞き取り調査(2013年9 月19日,2014年7 月11日,2014年8 月27日)をした結果を示す。本山町汗見川地区は,集落活動センターとしては,高知県下で最初の設置地区になる。① センター設立までの背景・経緯本山町汗見川地区は6集落から成り,地区全体で100世帯未満,190名程度の人口の地域である。高齢化率は60%程度と高い。森林が98%を占め,田畑は18.6ha のみとなっている。5~10年先の高齢化,人口減少を見通し,今残っている者が地域を守り,つなぐ活動をしていくために,汗見川地区活性化推進委員会が1999年に立ち上げ