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ダイナミックなリスク管理の会計43portfolio revaluation approach)(以下,PRA)の要点とIASB の予備的見解を述べたものであり4,PRA を金融商品項目および非金融商品項目から生じるリスクがダイナミックに管理さ....

ダイナミックなリスク管理の会計43portfolio revaluation approach)(以下,PRA)の要点とIASB の予備的見解を述べたものであり4,PRA を金融商品項目および非金融商品項目から生じるリスクがダイナミックに管理されている場合に適用することを意図するものである5。また,会計をダイナミックなリスク管理にあわせる(aligns)アプローチを用いることは実体がさらされているリスクと管理方法について財務諸表利用者に提供する情報が改善される一方で,会計における重要な変更(significantchange)となるため,IASB はこのアプローチの適用範囲,適用の選択(強制か任意か),コストとベネフィットといったことが問題になるとしている6。IASB はDP の公表によって,財務諸表利用者にとってPRA が提供する情報は有用であるのか,また作成者にとってPRA はダイナミックなリスク管理の見通し(perspective)を誠実に表現するものであるのか,さらにPRA の適用による運用面での影響(operational effects)を理解したいと考えており7,26の質問項目をあげコメントを求めている。2. IASB ディスカッション・ペーパー「ダイナミックなリスク管理の会計: マクロ・ヘッジに対するポートフォリオ再評価アプローチ」の概要DP は,オープン・ポートフォリオ8を基礎としダイナミックに行われている銀行の金利リスク管理において,IAS 第39号で認められているヘッジ会計を適用することが困難であることやIAS 第39号に従って会計処理をした場合であっても,オープン・ポートフォリオをクローズド・ポートフォリオにすることが強いられることになるという問題をとりあげたものである9。この問題についてDP では,「金融機関は,しばしばオープン・ポートフォリオにもとづいてダイナミック(dynamically)に金利リスクの管理を行っている。例えば,ローン・ポートフォリオがスタティック(static)であることはほとんどない10」としたうえで,IAS 第39号におけるヘッジ会計(公正価値ヘッジ,またはキャッシュ・フロー・ヘッジ)は主にスタティックなエクスポージャーのために設計されていることから,ダイナミックな金利リスク管理のシナリオを財務諸表に