109号

109号 page 49/104

電子ブックを開く

このページは 109号 の電子ブックに掲載されている49ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
ダイナミックなリスク管理の会計4720X0年1 月1 日現在の公正価値ヘッジの指定ヘッジ対象CU150の固定金利ローン・ポートフォリオの33.3%ヘッジ手段CU50のIRS20X0年12月31日に新たに固定金利のエクスポージャーがCU20....

ダイナミックなリスク管理の会計4720X0年1 月1 日現在の公正価値ヘッジの指定ヘッジ対象CU150の固定金利ローン・ポートフォリオの33.3%ヘッジ手段CU50のIRS20X0年12月31日に新たに固定金利のエクスポージャーがCU20加えられ,固定金利負債のうちCU10が期限前に解約された。この結果,リスク・ポジションがCU80に増加した。実体は,リスク・ポジションの全額をヘッジすることとし,新たにCU30の金利スワップをヘッジ手段として用いる。実体は,次のような指定を考慮することができる24。ⅰ 当初の固定金利ローンCU150の20%ⅱ 当初の固定金利ローンCU150の6.7%と新規の固定金利ローンCU20の100%このように,IFRS 第9 号ではヘッジ手段がヘッジ対象のどの部分のリスクをヘッジしているか明確にする必要がある。上記のⅰの場合,リスクはすべて当初の固定金利ローンから生じると考えられ,新規の固定金利ローンからはリスクが生じないこととなる(リスクが低い)一方で,ⅱの考え方では新規固定金利ローンは100% ヘッジが行われていることからリスクが高いものとして考えられることになる。しかし,オープン・ポートフォリオにおけるリスク管理とこうした考え方は必ずしも一致するものではなく,ⅰまたはⅱの指定を行う必要性は,公正価値ヘッジ会計を適用するということから生じている。また,当初の固定金利ローンと新規の固定金利ローンの金利が異なっていた場合,対応関係がより複雑なものとなる。DP では,IFRS 第9 号を適用における問題点として,オープン・ポートフォリオ内の同一のエクスポージャーの異なる部分に異なる会計処理や測定が要求されることやヘッジの指定がリスク管理と完全に一致していないことから,財務諸表で表されるヘッジの有効,非有効部分の測定値が常に経済の表現(representative of the economics)となるとは限らないことをあげている25。