109号

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48 高知論叢 第109号? IFRS 第9 号を適用する場合(マクロ・キャッシュ・フロー・ヘッジ指定の場合)IFRS 第9 号を設例1 に適用する代案として,キャッシュ・フロー・ヘッジの適用をあげている。キャッシュ・フロ....

48 高知論叢 第109号? IFRS 第9 号を適用する場合(マクロ・キャッシュ・フロー・ヘッジ指定の場合)IFRS 第9 号を設例1 に適用する代案として,キャッシュ・フロー・ヘッジの適用をあげている。キャッシュ・フロー・ヘッジを適用するために,CU50の変動金利負債をヘッジ対象として指定する。また,CU50からCU80に増加したリスク・ポジションをヘッジするために変動金利負債CU30をヘッジ対象として指定することが必要となる26。この場合も,公正価値ヘッジを適用した場合と同じく経済実態を表すものとなるとは限らない。20X0年1 月1 日現在のマクロ・キャッシュ・フロー・ヘッジの指定ヘッジ対象CU50の変動金利負債※ヘッジ手段CU50のIRS※ キャッシュ・フロー・ヘッジ指定の要件を満たすためには,変動金利負債は,少なくともIRSの満期に対応する期間について可能性が非常に高くなければならない。? PRA を適用する場合PRA では,ローンと負債が管理されるポートフォリオに含まれ,対応する金利リスク・ポジションを反映してCU50の固定ペイIRS がリスク管理商品(therisk management instrument)とされる。したがって,管理されるリスクの変動である固定金利ローンと負債から生じるネット・オープン・リスク・ポジションの再評価は,IRS の公正価値の変動と相殺(offset)されて提供される27。20X0年12月31日に,既存の固定金利ローン(CU150)と残りの固定金利負債(CU90)からなるネット・オープン・リスク・ポジションは,金利変動の影響について再評価され,当初の固定ペイのIRS(CU50)は公正価値で測定されることとなる。以前に認識された固定金利負債(CU10)についての再評価調整(revaluation adjustment)は,損益に戻し入れされる(reversed)。このことは,銀行がアンダー・ヘッジ・ポジションをとっていたことを反映することになるとしている28。このようにPRA では,管理されるポートフォリオ(この場合,固定金利ローンと固定金利負債)の金利リスクの変動についてのみ純額で再評価されたものとリスク管理商品であるIRS を損益を通じて公正価値で測定したものの差額