109号

109号 page 51/104

電子ブックを開く

このページは 109号 の電子ブックに掲載されている51ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
ダイナミックなリスク管理の会計49が損益で認識されることになる。その後,固定金利ローン(CU20)と固定ペイのIRS(CU30)も対応する金利リスク・ポジションを捕捉する(capturing)PRA に含まれることになる29。?....

ダイナミックなリスク管理の会計49が損益で認識されることになる。その後,固定金利ローン(CU20)と固定ペイのIRS(CU30)も対応する金利リスク・ポジションを捕捉する(capturing)PRA に含まれることになる29。? IFRS 第9 号におけるヘッジ会計とPRA の相違?から?でみてきたようにIFRS 第9 号におけるヘッジ会計とPRA では,ヘッジ手段(PRA ではリスク管理商品)の測定,認識については同じ会計処理となっているが,リスク状況の変化,つまりデリバティブ等を用いたことでどの程度リスクを回避できたのかを表す会計処理が異なっている。IFRS 第9 号では,ヘッジ会計を適用するためにローンまたは負債のいずれかをヘッジ対象として指定しヘッジ手段と相殺することでリスク・ヘッジの結果が損益に認識される。他方,設例1にPRA を適用した場合では,管理されているポートフォリオに含まれるローンと負債の金利変動についてのみ再評価を行い,ローンと負債の再評価の差額とリスク管理商品の公正価値が相殺されることとなる。このように,PRA ではヘッジ対象とヘッジ手段という対応関係がなく,管理されているリスクの再評価は純額で損益に反映されることとなる。また,管理されていないリスク(この場合,金利リスク以外の信用リスク等)についてはIFRS 第9 号が適用されることとなる。? PRA による管理されるリスクの再評価PRA では,管理されているポートフォリオに含まれる管理されるリスクの変化について再評価が行われる。DP のパラグラフ2.2.3では,年間の固定金利4.5% の5 年ローンCU1,000(償却原価の総額)を保有している場合を例にあげ,市場金利が4.25% に下落した場合の再評価調整は,割引キャッシュ・フロー法により次のように計算されるとしている30。このことは,管理されるエクスポージャーが公正価値で測定されてないことを表しており,銀行におけるリスク管理と整合的であり,現在のヘッジ会計の要件よりも負荷がほとんどない(less burdensome)と考えられている31。