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50 高知論叢 第109号CU45×(1.0425)^?1+CU45×(1.0425)^?2+CU45×(1.0425)^?3+CU45×(1.0425)^?4+CU1,045×(1.0425)^?5-CU1,000=CU11? PRA の適用範囲の問題DP では,PRA の適用範囲について①す....

50 高知論叢 第109号CU45×(1.0425)^?1+CU45×(1.0425)^?2+CU45×(1.0425)^?3+CU45×(1.0425)^?4+CU1,045×(1.0425)^?5-CU1,000=CU11? PRA の適用範囲の問題DP では,PRA の適用範囲について①すべての管理されるポートフォリオに適用する(ダイナミックなリスク管理に焦点をあてたもの),②ヘッジを通じてリスク軽減(mitigation)を行った状況だけに適用する(リスクの軽減に焦点をあてたもの)という2 つの提案を行っており,ダイナミックなリスク管理をより誠実に表現するという目的と合致するか,またどのように合致させるのかについて検討がなされている32。① すべての管理されるポートフォリオに適用する場合この考え方は,銀行を例とすると,銀行勘定全体から生じる金利リスクをダイナミックに管理している場合にはPRA の適用範囲を銀行勘定全体とするというものであり,この方法はネット・オープン・リスク・ポジションの完全な写像(complete picture)を提供するものとなる33。また,この考え方を用いることは,銀行のリスク管理と整合的となるという34。財務諸表では,管理されるポートフォリオにヘッジされていないものが含まれる場合,リスク管理商品による相殺効果がないため,経済的なポジションと整合的に損益にボラティリティが生じる可能性があるとしている35。この損益に生じるボラティリティは,財務諸表がリスク管理活動についての重要な情報を提供できていないという見解をもつ人々に対しては,損益が経済的ポジションと一致して(consistent)ボラティリティを生じるためリスク活動全体を理解できるという利点がある一方で,実際のヘッジ活動に焦点をあてる人々に対しては有用な情報を提供しない可能性があり,金利リスクをダイナミックに管理している実体とそうでない実体の損益の比較を困難にするという36。また,コストがベネフィットを上回る可能性があることも指摘されている37。