109号

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ダイナミックなリスク管理の会計51② ヘッジを通じてリスク軽減を行った状況だけに適用する場合この考え方は,ダイナミックなリスク管理におけるリスクの識別,リスクの割り当て(analysis),ヘッジを通したリスク....

ダイナミックなリスク管理の会計51② ヘッジを通じてリスク軽減を行った状況だけに適用する場合この考え方は,ダイナミックなリスク管理におけるリスクの識別,リスクの割り当て(analysis),ヘッジを通したリスクの軽減という3 つの要素すべてを行っている場合のみダイナミックなリスク管理を捕捉するというものである38。DP では,?サブポートフォリオ・アプローチ(sub-portfolio approach)と?比例アプローチ(proportional approach)という2 つのアプローチが提案している。? サブポートフォリオ・アプローチこのアプローチは,PRA の適用範囲をダイナミックに管理されているサブポートフォリオのうちリスク軽減またはヘッジ活動が行われたものに限定するというものである39。? 比例アプローチこのアプローチは,ヘッジされるポジションがダイナミックに管理されているポートフォリオの比例部分として決定されるものである40。これらの考え方の問題として,ヘッジ部分の識別が困難であるため,ダイナミックなリスク管理を誠実に表現するものではなく,アーティフィシャルな表現41となってしまう懸念があげられている42。③ ①と②の適用範囲の違いと意味DP では,銀行が3 つの固定金利ローンのサブポートフォリオ(A1,A2,A3)を有しており,すべてをダイナミックに管理している場合を例に①と②の適用範囲の違いについて説明をしている43。設例2A1からA3のそれぞれのネット・オープン・リスク・ポジションはCU20であり,すべて変動金利の預金で資金をえている。A1とA2について固定ペイ(変動レシーブ)のIRS(各CU20のY1とY2)によってヘッジを行い,A1とY1,A2とY2