109号

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4 高知論叢 第109号再度現場に戻って実況見分に警察車両内で「立会」うことになったが,既に事故車両はなく,結局被告人X立会のもとでのスリップ痕の確認はなされていない。翌々日の3 月5 日に員面調書がとられた....

4 高知論叢 第109号再度現場に戻って実況見分に警察車両内で「立会」うことになったが,既に事故車両はなく,結局被告人X立会のもとでのスリップ痕の確認はなされていない。翌々日の3 月5 日に員面調書がとられた上で釈放されている。同年6 月22日に書類送検され,翌月28日に一年間の免許取消の行政処分が科された。同年11月6 日に高知地検で検察の筋書き通りのXの自白調書が作成され,原確定有罪判決の証拠とされることとなった。翌月の2006年12月6 日,元被告人Xは業務上過失致死罪に問われ,在宅で起訴された。公訴事実として,起訴状には以下の通り記載されている。「……交通整理の行われていない変形四差路交差点西方に面した路外施設駐車場から,同交差点内車道と自歩道の境界付近で一時停止した後,同車道に進出し,土佐市方面に向かい右折進行するに当たり,右方道路から進行してくる車両等の有無及びその安全を確認して同道路に進出すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り,右方道路を一瞥したのみで,右方道路から進行してくる車両等はないものと軽信し,左方道路に注意を奪われ,右方道路から進行してくる車両の有無及びその安全確認不十分のまま発進し,漫然時速5 ないし10キロメートルで同道路に進出した過失により,折から右方道路から進行してきたV運転の自動二輪車に全く気付かず,同車前部に自車右側前部を衝突させて同人を約3.6メートル前方に跳ね飛ばして転倒させ,よって,同人に胸部大動脈損傷の傷害を負わせ,同日午後3 時40分ころ,……病院において,同人を前記傷害により死亡するに至らせたものである。」8翌年2007年1 月18日高知地方裁判所で初公判が開かれ,計6 回の公判を経た後,同年6 月7 日に禁錮1 年4 月の実刑判決が言い渡され,Xが高松高等裁判所に即日控訴した。並行して,遺族側から仁淀川町とXに対して民事訴訟が提起され,その第一回口頭弁論が同年6 月6 日に開かれた。高松高等裁判所は同年10月4 日に一回のみ公判を開いただけで,同月30日にXの控訴を判決で棄却したため,Xは即日,最高裁判所へ上告した。翌年2008年1 月6 日に上告趣意書を提出すると共に,同年3 月4 日にXは,証拠隠滅罪べた合同ゼミの際に片岡氏から配布された年表「事件の経過」等を参照した。8 本事件の起訴状参照。