109号

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58 高知論叢 第109号た。犯行に使われた銃は半自動式の拳銃で,犯人の父親がスポーツ用に所持していたうちの1 丁であった(1 後にこの父親は,刑法上の過失殺人罪および過失傷害罪,ならびに武器法が定める保管義務....

58 高知論叢 第109号た。犯行に使われた銃は半自動式の拳銃で,犯人の父親がスポーツ用に所持していたうちの1 丁であった(1 後にこの父親は,刑法上の過失殺人罪および過失傷害罪,ならびに武器法が定める保管義務違反で有罪判決を受け,また,事件の遺族らから民事上の損害賠償等も請求されている2 )。その後,この事件の遺族や,作家・俳優らが”Keine Mordwaff en als Sportwaff en!”(「殺人銃器をスポーツ用銃器として使うな!」)という,銃規制の強化等を訴える団体を結成する3。そして2010年7 月21日,本団体のスポークスマンであるローマン・グラーフェ(Roman Grafe)4 及び2 組の遺族5がそれぞれ連憲裁へ憲法異議を申立てた(したがって,計3 件の憲法異議が申し立てられている)。本稿ではグラーフェによる憲法異議を紹介する。その理由は,グラーフェによる憲法異議の申立書面がインターネットで公開されているためである6。ただし,これら3 件の憲法異議に対する不受理決定の内容は基本的に同一である7。2.憲法異議の申立内容申立書面における憲法異議の申立対象は2009年7 月25日に改正法8が施行さ1 Suddeutsche Zeitung vom 17. 5. 2010(http://www.sueddeutsche.de/panorama/amoklauf-von-winnenden-das-wortlose-toeten-des-tim-k-1.392509:2014年9 月16日閲覧),Spiegel Online vom 4. 9. 2014(http://www.spiegel.de/panorama/justiz/winnendenfuenf-jahre-nach-dem-amoklauf-von-tim-k-a-985744.html:2014年9 月16日閲覧).2 Stuttgarter Nachrichten vom 19. 4. 2013(http://www.stuttgarter-nachrichten.de/inhalt.winnenden-vater-des-amokschuetzen-nimmt-revision-zurueck.a572dbbe-9691-49f8-bcd2-5e7c89cb98ef.presentation.print.v2.html:2014年9 月16日閲覧).3 本団体のホームページ(http://www.sportmordwaff en.de/index.html).4 作家・ジャーナリストである。5 事件番号はそれぞれ 2 BvR 1676/10と2 BvR 1677/10である。6 Grafe 2010(http://www.sportmordwaff en.de/VerfassungsbeschwerdeJuli2010_und_Ergaenzung.pdf:2014年9 月1 日閲覧).7 http://www.bverfg.de/entscheidungen/rk20130123_2bvr167610.html,および,http://www.bverfg.de/entscheidungen/rk20130123_2bvr167710.html,である(いずれも2014年9 月2 日閲覧)。管見の限りでは,遺族による憲法異議の申立書面は公表されていないようである。8 BGBl. 2012 I 2062.