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いわゆる「高知白バイ事件」の再審請求について5で刑事告訴を行っている。同年6 月20日には,前述した遺族の民事訴訟につき,遺族と仁淀川町の和解が成立し,Xへの訴えは取り下げられた。同年8 月20日,最高裁は決....

いわゆる「高知白バイ事件」の再審請求について5で刑事告訴を行っている。同年6 月20日には,前述した遺族の民事訴訟につき,遺族と仁淀川町の和解が成立し,Xへの訴えは取り下げられた。同年8 月20日,最高裁は決定でXの上告を棄却した。翌月9 月12日には,高知地方検察庁が証拠隠滅について不起訴処分とした。Xは同年10月23日に収監されたが,翌年2009年1 月28日に証拠隠滅について高知検察審査会が不起訴不当を議決したものの,翌月2 月23日に高知地方検察庁は再度不起訴処分とした。これに対して,Xは同年3 月2 日に国家賠償訴訟を起こした。翌年2010年2月23日にXは満期出所した。しかし,その後,Xの国賠の訴えは裁判所に退けられ,その際の誤判については再審との判決理由を受け,2010年10月18日に高知地方裁判所に再審を請求した。再審請求は係属中であるが,当初の裁判長が異動で交代になった後の2013年9 月12日に裁判官の忌避を申し立てたが同月20日に却下され,その後,高松高裁への即時抗告を経て,同年10月21日に最高裁で特別抗告が棄却された。以上の通り,紆余曲折を経て現在の再審請求審に至っているが,特に控訴審判決宣告前日の2007年10月3 日にKSB 瀬戸内海放送で本件が取り上げられ9てから,次第に事件に対する認知が広がっているといえようか。Ⅲ 確定有罪判決への疑問点前章では,確定有罪判決の事実認定について確認した。本章では,再審請求の検討の前提作業として,まず,この事実認定自体について,若干の批判的検討を行い,確定判決に対する筆者の疑問点を示しておくこととしたい。本事件の第一審である高知地判平成19年6 月27日判例集未掲載10は,先ず,9 なお, 本件を取材したKSB 瀬戸内海放送記者の手によるルポルタージュとして, 山下洋平『あの時,バスは止まっていた 高知「白バイ衝突死」の闇』(ソフトバンク・クリエイティブ,2009年)を参照。10 高知地判平成19年6 月27日判例集未掲載。判決文の全文を,「片岡晴彦さんを支援する会」のホームページで読むことができる。URL: http://haruhikosien.com/tisaihannketu.pdf(2014年9 月1 日検索)を参照。なお,控訴審の控訴棄却判決,最高裁の上告棄却決定についても,同様に閲読可能である。