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110号

99巻末インタビュー田村安興先生に聞く社会経済学科長中川香代中川田村先生このたびは定年退職おめでとうございます。またお疲れ様でした。今のご心境は?田村定年まで出身地の母校に在職することができて幸運でした。1983年に高知に帰ってきたとき,高知というところは一度離れると職を得て帰ってくることが難しいところだけれど,「よく帰ってこられたものだ」と言われました。私は学生時代に先生にとって決して良い学生ではなく,先生方をいろいろな意味で非常に困らせていた劣等生でしたので,帰ってくることができたのは奇跡でした。なにしろ単位を取ると学問への情熱が減るからと思ってわざと試験を受けず単位を取らなかったような学生でしたから。中川人文学部では数少ない高知県出身ですね。田村生まれは1949年高知大学創立時と同じです。震災後にUSA(宇佐)で生まれ,すぐに高知に移ってきました。当時の高知駅には車はなく人力車が車屋さんと言われていました。昭和20年代,乗り心地が悪い人力車に高知駅から鉄砲町(現桜井町)まで約1キロ走って150円でした。うどん一杯10円の時代でしたからずいぶん高い車代でした。中川これまでの歩みを振り返っていかがですか?田村いままで講義してきた自分の専門科目と共通教育(旧一般教育)科目はたくさんの題目がありましたが,最初の講義科目は通年で日本経済史と農業政策論でした。この2つの科目が担当できる人という条件で運よく採用され