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110号

巻末インタビュー105たら驚嘆するようなコレクションですが,漢籍であったために学問が分からない理学部教授会から猛反対があり,これからは文系学長を選出するなというという理系からの機運が大きくなりました。以後文系の学長はでていません。中川社会科学の研究についてのご意見は?田村日本の社会科学は欧米の研究の紹介レベルや解釈にとどまった分野が少なくなかったし,学会誌で世界への発信力が極端に少なかったのは事実です。かつて京大の理論物理学の紀要が閉鎖的な日本語同人誌レベルからグローバルな学会誌へ発展したように,社会科学でもそのような学会誌が日本から生まれつつあります。『高知論叢』は高知大学経済学会40年の知の結晶と言っても過言でなく,アジア各国からも照会の文書がきています。『高知論叢』は最新,電子書籍化されたことによって容易に世界からアクセスされるようになりました。すでにCiNiiにアップされ,近く全号が公開される予定です。また1990年以降今日まで10巻を超える研究叢書が刊行されました。理論経済学などを除く分野では専門書の刊行がまだ重要な意義をもっています。経済学会研究叢書が国内海外の図書館,大学に所蔵されている事は特筆される事です。どの国の図書館にどの書物が所蔵され,どの著書が引用されているのかが分かる時代になりました。研究者はまず初めに言論人です。学問は常に世界に発信してこそ存立意義があります。自分もしばしばその傾向がありましたが,地域貢献や学内行政に忙殺されて研究生活を終わってはならないということは肝に銘じてきました。中川平成27年度から,学科は「社会制度設計」をキーワードに,経済・経営・法律などの社会科学をより融合させた新規科目をスタートさせ教育改革を進めていきます。学部の改革も予定されていますが,ご意見は?田村人文学部の教育研究は過去と比較すると非常によくなっていると思います。特に1年次からの教育システムの充実によって卒論までの流れがスムースになり,学生の成長を促進させており,学生のレベルも上がってきたと思います。