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110号

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概要

110号

ドイツの過疎化地域における生活支援の方向性51Oderland)に所属する地域で,首都ベルリンの東部60kmに位置し,ポーランドとの国境地帯にある。20の集落(Gemeinden)から成り立っており,6つの役場(Amt)が置かれている。郡庁所在地がゼーロウ市にあり,今回のプログラムを進める拠点もゼーロウ市役所内に置かれている。地域全体の人口は約30,900人(2010年)であるが,人口密度は39人/km2に過ぎず,ブランデンブルク州平均の人口密度85人/km2の半分以下である。人口が750人以上の集落は少なく,人口が1,000人をこえる集落は4つしかない。郡庁所在地であるゼーロウ市でも,人口は5,700人に過ぎない。今後の人口予測では,オーダーラント地域全体で2010年から2030年までの期間において19%減,年齢構成で見ると,65歳以下がほぼ半減,65歳以上の高齢層については約60%の大幅増が見込まれている。なお,人口が5,000人いないと役場を置けないという州の基準があるが,5,000人を切っているところがすでに3か所あるという状況である。役場の職員は1か所に20~27人配置されているが,職員の高齢化もあり,行政能力の低下が懸念されているため,行政地域の合併も視野に入れている。合併の順序としては,1役場(Amt,人口5000人以上),2自治体(Gemeinde,人口1万2千人以上),3自治体連携という形で進んでいくことになる。しかし,オーダーラント地域の場合,ゼーロウ市を含む中心地2か所をとっても自治体を作るための人口が足りず,2012年には地域が合併を拒否したという経緯がある。そこで,新しい方法として,4グループ自治体(Verbandsgemeinde)という方法が検討されている。グループ自治体とは,役場の機能を1か所の事務所にまとめ,予算決定などは各役場単位で行うというものである。いずれにせよ2014年に行われる地域の選挙において合併問題が問われることになるが,そこで結論が出なければ次の選挙は2019年になるため,長い期間不確定な状態が続く可能性があり,時間を無駄にしてしまうかもしれない。財政の面からみると,財源が十分でないところが多いため,どの役場にも予算確保構想が求められている。ゼーロウ市だけでみればまだ健全であるが,将来は連邦と州との関係でどうなるか不透明である。2012年度のゼーロウ市の年間収入は75万ユーロが見込まれるのに対して,投資可能額は31万ユーロである。社会福祉,青少年分野などが郡担当分野になっているため,予算の47.2%は郡