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64高知論叢第110号窪津同上津呂同上伊佐同上松尾同上大浜同上中浜同上清水湊有,潮満干構なく舟いかほとも入也。越浦片灘,ふり掛有,難風にハなし。三崎同上。下川口片灘,小舟出入,難風にハなし。樫浦同上。古間目湊有,汐満干構なし,船掛なし。柏島片灘有,難風にハふりかゝりなし。天地灘(湊ヵ)有,難風には舟掛悪し。橘浦小湊有,難風にはふり掛悪し。泊浦湊有,難風にハ舟掛悪し。榊浦小湊有。難風には舟掛悪し。小尽(記載なし)福良湊有,難風出入悪し。湊浦湊有。難風出入悪し。内ノ浦同上。外ノ浦同上。錦浦片灘,根(振ヵ)掛有。難風にはなし。藻津同上。注『南路志第1巻』489頁以下所収史料より作成。第二に,「湊」の分類は,「本湊」「堀湊」「川湊」である。ここでの「本湊」は各浦の記載では「湊有」とだけで具体的な記述はない。多くはリアス海岸など湾入した天然の良港であろう。付言するまでもなく,前述したように浦戸から甲浦までの間には「本湊」はなく,「堀湊」のみである。第三に,「川湊」の所在する浦が記載されていることは注目される。これらの川湊は,中世から湊として機能した歴史をもつものである。問題はその所在を明記している意味である。川湊は漁船や小規模荷船などは,川湊に係留することが可能であったからであろう。たとえば,沿岸を航行する市艇なども川湊の規模によって可能であったことも考えられる。安喜浦の場合は「荷船」(廻船)の出入港はできず,「難風」でない際に沖合に停泊した「荷船」(大中の廻