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110号

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110号

日治時代・台湾南方澳への高知県漁民の移住の背景87蘇澳の移民内地で評判よし高知の寺田氏永住の目的で来台台北州の経営する蘇澳の漁業移民は頗る好成績を収めてゐるので移民を送つた高知県などでは非常な評判となつてゐるが今回高知県幡多郡の漁業者寺田多蔵氏は蘇澳に永住目的を以て家族全部を引連れ漁船も二艘を以て此程来台直ちに蘇澳に向つた,蘇澳では同郷の人々が色々面倒を見てゐるが十九日は同郷の人々二三名と共に早朝来北し台北州及総督府の人々と遭ひ其の固い決心を述べ又督府及び台北州には秋山同県水産課長の紹介状を持参してゐたが秋山氏は多年本島の水産技師を奉職し本島の事情もよく知つて居るので真面目な漁業者だから御世話を頼むと依頼して来てゐる当局でもわざわざ金をかけて移民をよんでゐる際であるからこんな特(篤?)志家には出来るだけの便宜は与へてやりたいと考慮してゐるが差当りの漁業としては先づ珊瑚漁業を経営したいと目論んでゐる※以上,高知県民自体の台湾への移住の動き,基隆を中心とする珊瑚漁業従事者の移住,南方澳を拠点とする一般漁業従事者の移住に関する『台湾日日新報』の記事を若干紹介してきた。小稿では,最後に,これらの動きにやや遅れるように掲載されていく一繋がりの記事を示しておく。実は,1927(昭和2)年以降,高知県水産試験船(高鵬丸,虎丸)が「海洋調査」等のため,基隆,高雄などに寄港している。◆1927(昭和2)年10月20日高知県水産試験船高鵬丸来台高知県水産試験船高鵬丸は台湾及南洋の水産動植物の分布状況並に海洋調査のため十一月三十日基隆に来港する筈である此計画は同県としては最初の試みであると◆1928(昭和3)年2月17日(漢語版)高知県水産試験船高鵬丸入高雄港高知県水産試験船高鵬丸去十五日入高雄丸(港?)。同船為調査[宜]蘭