ブックタイトル110号

ページ
96/126

このページは 110号 の電子ブックに掲載されている96ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

110号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

110号

90高知論叢第110号台湾日日新報』の名で4ページの独立した新聞を発行した。明治44年11月30日,財政困難の理由で,日本語版の中に2ページの中国語版を付け加えるやり方に戻し,昭和12年4月には中国語を廃止した。」3本記事と次掲記事は,いずれも1897(明治30)年のものであり,この時点で『台湾日日新報』はまだ創刊されていない。明治31(1898)年5月6日に『台湾新報』(明治29年創刊)と『台湾日報』(明治30年創刊)を併合して創刊。小文の論旨を考え,敢えてこのような形で掲出した。なお,現在DVD版『新報』は高知大学図書館にも収められている。4近年の研究動向としては,岩崎望編著『珊瑚の文化誌宝石サンゴをめぐる科学・文化・歴史』(東海大学出版会2008年)の第二部第9章(荻慎一郎)「近代日本における珊瑚漁と黒潮圏」,第10章(同)「近代における高知県の珊瑚漁と地域」等がある。5田村実については『高知県人名事典(新版)』(高知新聞社1999年)等を参照されたい。『新報』の記事を見る限り,田村は台湾への高知県漁民の移住事業を中心的に進めた人物と考えられる。当該テーマに関わって検討し一部なりともその結果を小文に明らかにすべきではあったが,時間の関係上,『新報』に登場する他の人物を含めて,他日の公表を期したい。6この静岡県の船団の事を含めて,大型機械式動力船による操業とその影響については,既に拙稿「台湾の黒潮流域圏における鰹漁業の近代化と環境」(編著『海域世界の環境と文化』前掲)「第三部海洋環境と近代」においても指摘している所である。7「台湾の黒潮流域圏における鰹漁業の近代化と環境」前掲[感謝の辞]『高知論叢』への寄稿は,昨年末の田村安興教授直々の依頼にお応えしたものである。日々学部改組の校務に追われる自分にとっては,本来の自身のあり方を取り戻せる,大変ありがたい話であった。結局,倉卒の間に纏めることとなり,先生からは厳しい叱正を受けねばならなくなった。田村先生は,小生にとって〈高知〉を意識させる数少ない研究者のお一人である。これまでのご指導に改めてお礼を申し上げるとともに,これからも研究面で導いていただきたい。(南方澳にもご一緒できればとも……)ご自愛ください。