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93書評田村安興著『天皇と官吏の時代1868~1945』を読んで(2014年9月26日発行A6 403頁清文堂)Martin※Zhang Min※著者の田村安興教授は高知大学で32年間勤務した。田村教授は高知県出身で,高知大学を卒業した後,京都大学で修士課程と博士課程を修了された。高知大学で専門教育の中で日本経済史を担当されている。田村安興教授は日本農業経済,市場流通及び歴史を研究されている。1994年に市場史を中心にする『日本中央市場研究』を出版され,また,『高知論業』にも数多く執筆されてきた。田村安興教授は近年,天皇と官吏等について研究され『天皇と官吏の時代』を書かれた。本書は,著者が,長年研究されてきた課題を集大成された労作である。定年退職する機会に本書を世に送られたことは,著者にとって感慨深いことであろう。明治以来の国体について,著者は,「本書はその断面を示したにすぎない」と述べられているが,読者は,本書の随所から多くの示唆を得られることには間違いない。1.本書の構成本書は,近代日本天皇制と官僚の関係についてまとめたものである。田村教授によると明治・戦前期の日本は“天皇と官吏の時代”と言うべき日本史上特筆すべき時代である。この間における天皇の役割は多面的,かつ複雑であった。高知論叢(社会科学)第110号2015年3月※高知大学大学院