ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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概要

高知論叢111号

北欧型福祉システムとヨーロッパ・アジア型福祉システムの比較検討111を取ることができる。その場合でも,なるべく自分で連絡ができるようにサポートし,できなければセンターで対応する。その他に,家族へのサポートがあり,どのようなサービスがあるか,様々な情報提供をおこなっている。ボランティア活動を発達させるためにネットワークを活用するが,情報提供する人を用意している。コンピュータ教育も行われ,シニアネットもある。高校生が高齢者宅を訪問してパソコン操作を手伝う。高齢者が知識を得て学ぶ。蜘蛛の巣のようなネットワークの役割をセンター職員が担い,自己決定できるように,自分の生きたいように生きるうえで必要なサポートをおこなう。大切なことは,自分が参加し,社会的なつながりをもつことであり,あくまで予防対策,予防介護である。医学的なヨガ,シニア体操など,1週間に10回の運動・体操があり,無料で参加できる。散歩に行ったり,様々な活動が用意されている。健康保持のための学習サークルや自然体験もある。復活祭の準備のための委員会もこのセンター内に設置し,様々なボランティアに関わってもらう。女性のみのグループもあり,フラワー・アレンジなどに取り組んでいる。ソーレントゥーナ市は予防ということに非常に力を入れている。ボランティアはまったくの無償であり,ボランティア活動をすることで自分の人生が豊かになる。スタッフはボランティア活動にとってプラスになる存在であり,市の業務や社会福祉サービスを必要とする人はそれを利用するので,ボランティアと二重にはならない。家庭訪問に際しては,不確かでありセンターの担当ではないと判断したときは,それ以上介入しないし,訪問を断ることもある。スタッフは有給であり,市職員がいることで継続性,安定性が生まれる。市が予算の中から人件費,建物の費用,電気代を支払う。ボランティア活動は自由意思に基づくものであるので,単発的になる場合もあれば長期的に活動が継続する場合もある。ボランティアが何をしたいかという点と,ボランティアを受ける側とする側がマッチするかという点が重要なポイントになる。5)高齢者特別住宅,シニアネット教室訪問先の「Solom」は,市が100%所有する会社であり,1989年に設立された。階上の高齢者特別住宅の他,1階ではシニアネット教室も開催されている。シ