ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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概要

高知論叢111号

北欧型福祉システムとヨーロッパ・アジア型福祉システムの比較検討119社会サービス法は,枠組み法であり,各自治体がその枠の中身を具体的に満たすことになる。介護福祉部門では,週何日家事が得られるか,清潔保持はどうか,等の個人的なニーズ査定を行う。とくに特別住宅に移る場合,特別の条例に基づいて,必要性を判断する。市内で約500室の特別住宅がある。ニーズ査定士が必要性を判断するが,申請者の家庭訪問を行い,家族や友人にも参加してもらう。その事実に基づき,どういう支援方法が必要かを報告書にまとめる。そして,ホームヘルプ会社がどういうサービスが必要かを具体的に示す。警報サービスは24時間受けられる。自己負担上限額は在宅で月1740kr(最低0kr)である。ある程度のお金は自由になるように(最低保留額),サービスと家賃は,福祉法に基づいて給付される。現在80~90代のとくに女性は所得が少なく,最低保障額の年金で暮らしている。ニーズによってサービスはコントロールされ,自宅であれば,デイケアも利用できる。認知症かソーシャル・サポートか,というデイケアの提供理由は,なるべく自宅で居られるようにするという観点から判断される。市内に3つの居場所があり,音楽,遠足,回想,インターネットカフェなど,高齢者にとって選択肢は豊かである。孤独にならないよう配慮されている。障害者福祉課では,LSS法を障害者の権利の法律と呼んでいる。ある程度の機能障害があれば支援を得られる。機能低下をもつ人は,社会福祉サービス法に加え,LSS法によって対応される。社会福祉サービス法に加えてLSS法が制定された理由は,重度の障害をもつ人の支援機能を強化するためである。LSSは,1知的障害,自閉症あるいは自閉症に近い発達障害,2脳損傷による中途障害,3長期的な精神疾患を対象としており,10項目の様々な権利が定められている(自己申請原則)。申請を受理すると,調査に入る。まずは,医療から指導とサポートを行う(県landsting)。コミューンは正看護師までの仕事の責任を担うが,医師の仕事は県が担う。そのうえで,「パーソナル・アシスタント」(非常にニーズが強く,1人では生活困難な場合),「ガイド・サービス」(アクティビティや喫茶などに付き添う),「家庭での代替サービス」(親の代わりに障害児をみる),「コンタクト・パーソン」(ソーシャルな交流が自