ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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概要

高知論叢111号

北欧型福祉システムとヨーロッパ・アジア型福祉システムの比較検討125に対するプログラムもあるが,青少年に重点が置かれている。1955年から様々な活動に取り組んできたが,寄付を募る組織としてはドイツでは最大規模の組織である。SOSは,1子ども村,2子ども村・村,3ヘルマン・ゲマイナー基金という3つのグループから構成されており,それぞれの名前で寄付が募られている。ドイツ国内45施設中,15施設が子ども村である。ベルリン子ども村(Kinderdorf, 2014.3~4月)ベルリンにあるこの施設は,1996年に,社会的,個人的に問題を抱えていたり,何らかの支援を必要とする青少年を対象としている。ここで設立した理由は,問題を抱える若者が集中しているからである。職業agencyと話し合い,ここで職業教育を始めたが,全部で10種類の職業教育に取り組んでいる。システムの統合等により助成金は少なくなったが,調理士,事務職,庭師,美容師,理容師,塗装業,メディア関係などについて,準備段階の教育から特定教育の準備までおこなっており,学校での説明会も開いている。職業訓練だけでなく,ひとり親で子どもを育てている親へのサポートや,登校拒否児へのサポートも行っている。現在,青少年約200名が利用している。ベルリンの子ども村は,労働agency,職業センター,区青少年課,連邦政府補助金,EU補助金などと連携している。ドイツの社会福祉法典(Sozialgesetzbuch)第8法典に基づく公的援助は補助率が75%であったが,70%程度に下がってきている。レストラン収入と寄付に加えて,年間150万EUR(視察当時1EUR≒140円)の補助を受けている(4月頃までに公募,6月頃に決定,9月頃に交付)。補助に対しては,建物,設備,担当者の資格,事業実施内容などの報告書を提出する義務がある。ここでの事業は,社会福祉法典第3法典の事業所