ブックタイトル高知論叢111号

ページ
128/164

このページは 高知論叢111号 の電子ブックに掲載されている128ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

高知論叢111号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

高知論叢111号

126高知論叢第111号ベルリン子ども村(Kinderdorf, 2014.3~4月)外活動に相当する。ベルリンの子ども村では,24名の若者に対して2名の教員が対応しており,学校とは別のドイツのdual system(二重制度)である。また,24名の若者に対して3名の職業教育サポーターが対応しているが,そのサポーターは社会教育専門家(Sozial Arbeiter)というソーシャル・スキルをもっており,利用手続きの申請を手伝ったり,住む場所の確保,借金への対処,麻薬セラピー,暴力問題への対応などを行っている。本人が自立できるようなサポートが行われる。小中学校を卒業できなかったり低学力の若者に対しては,週4時間の学習支援をおこなっている。dual systemに基づく職業教育訓練は,2~3年の教育期間を要する。3名のサポーターが協力し合い,半年に1回以上,若者と会って話し合う。その際,自己評価と専門評価をおこなう。そして,将来どうしたいかを話し合う。また,試験前の準備,現場実習,いじめ問題への対応などのアドバイスを行う。現場に近い形で調理業務や配膳などのトレーニングを受ける。若者の休憩する空間も用意されている。3名の専門職が24名をサポートするが,それぞれの側面から若者の能力や何ができるかを捉える。レストラン業については,現在67名の生徒が3年間の職業訓練を受けている。そのトレーニングは3種類あり,1レストランの事務・管理,2レストランの給仕(ウエイター・ウエイトレス),3レストランの調理のコースに分かれる。3のコースには,補助調理士もあり,身体的・精神的な障害のある人が進む。1日,1週間のプログラムを立て,朝7時から職業教育訓練が始められる。現場実習に行く場合もあれば,職業学校に行く人もいる。10時から昼食の準備