ブックタイトル高知論叢111号

ページ
130/164

このページは 高知論叢111号 の電子ブックに掲載されている130ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

高知論叢111号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

高知論叢111号

128高知論叢第111号職業訓練を受ける若者は,最後までやり遂げる人もいれば,途中で挫折する人もいる。卒業後,3分の1は就職し,3分の1は半年くらいしてから就職活動を始める。現在の教育訓練を受けている生徒の65%が男性,35%が女性である。全体の60%が移民であるが,親族も移民なので言葉の問題はない。文化や宗教の問題も大きな意味はなく,互いに友人関係をもっている。ここで働く職員は全部で18名いるが,外国文化について学ぶ研修会も行っている。発達障害者や精神障害者に対しては,週3回,ここを利用するという訓練もある。時間を守る,病気で来られない場合には報告義務を守る,ということもトレーニングである。利用対象かどうかを判断するにあたり,生徒の履歴を把握して,どのような過去をもっているかを知る必要がある。きょうだいに犯罪者がいる子ども,親が離婚した子ども,勉強ができなかった子ども,多様な文化を抱えどうしたらよいかわからない子ども,ひとり親の子ども,虐待を受けた子どもなどがいる。精神的な傷を負っている子どももいれば,親が精神障害や麻薬患者という子どももいる。ベルリン子ども村(Kinderdorf, 2014.3~4月)メディア関係に就職することを目指す人のために準備された部屋もある。知的障害のある人の調理室では,実物を使ってジャガイモの図などが描かれており,本人に理解できるような配慮がされている。社会教育士(日本の社会福祉士より広い概念)のスタッフ・ルームもある。チームとなって取り組まれており、心理学者等と相談しながら支援が行われる。たとえば,一人の学習能力が低い場合,どう教えればよいかが話し合われる。何らかの形でサポートが必要な場合(住居の確保や福祉制度の利用申請など),親には何ができるか,言葉