ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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高知論叢111号

130高知論叢第111号2)認知症高齢者のルーム・シェア(グループホーム)フランクフルトでは,認知症高齢者に対するルームシェア(Wohngemeinschaftfur dementiell erkankte Altere Menschen)の取り組みが進められている。ここでは3か所の拠点があるが,ドイツでは2年前に社会福祉法典が改正されたこともあり,認知症の場合,一般的には自宅か施設を居住場所とするため、ここは例外的であり典型的ではない。家族の対応の問題がある。所得の中下階層は介護施設に親を入れても違和感をもたないが,上階層は倫理的ディレンマを感じ,普通の自由な生活を続けさせてあげたいと思い,それによって倫理的義務を果たそうとする。その背景にはルームシェアすることの費用の問題もある。年金等の社会保障給付があるが,それだけでは足りないこともあり,低所得者には施設ケアがあるが,誰にでもあるというわけではない。そこで,フランクフルト当局が特別の予算を組み、自由度の高い事業を行えるようになった。介護施設であれば,80人の入所者に対して2名の職員配置となるが,ここでは7名の利用者にかかるコストで1名の職員配置が可能である。フランクフルト高齢者ルーム・シェア認知症への対応方法は,過去5年間で変化してきている。介護保険導入時は認知症の問題が意識されていなかった。そこで,要介護認定の際に,認知症の場合はプラスしての補助が出されるようになったが,ないよりはマシという程度である。2013年1月から実施された一括補助金により,1人あたり最高月