ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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高知論叢111号

134高知論叢第111号担しなければならない。要介護度がゼロ(必要介護時間が1日45分未満)という人も数名いる。要介護認定の正確さの問題はドイツでもある。たとえば,食事に時間がかかる人や特定の食材に刺激を受ける人がいるが,それは認定には反映されない。精神的に問題のある人や意識不明の人に対応できないという問題もある。呼吸困難な場合など,病院と施設ははっきり区別される。監査機関もある。フランクフルト高齢者施設1ただ食事をするというだけではなく,ここでは文化も大切にしている。ここに住んでいる人は他の人と一緒に住み,文化的要素も加わる。現実には、在宅復帰ということはない。家族が会いに来ることはよくある。ここに入る人はフランクフルト以外からも来る。ボランティアの訪問者もある。認知症の進行を抑える取り組みとしては,音楽療法,創造的活動等により悪化を遅らせる努力をしている。一番大切なことは,その人の関心を向けることであり,誰かがそばにいてくれるということである。一緒に部屋をシェアすることによっても気分が変わる。その人の過去はどのようなものであったのか,何を大切にしているかを知る必要がある。難聴の人には光で識別できる部屋もある。住宅スペースもあり,必要に応じて介護も受けられる。犬によるアニマルセラピーも行っている。4)高齢者介護施設2(複合型施設)フランクフルトの介護施設である訪問先2は,1964年に設立された。当時は