ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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概要

高知論叢111号

北欧型福祉システムとヨーロッパ・アジア型福祉システムの比較検討135建築ブームで土地を探すのが難しく,中心部から離れた所に建てられた。4つの建物から構成され,高層ビルは重度の要介護者ケアが行われる。低い建物は,かつて老人病院と言われていたが,いずれも現在は介護施設になっている。さらに,高齢者用住宅,母子支援施設がある。周囲は住宅地や緑地に囲まれている。現在建てるとすれば,このように大規模にはならない。建設当時は定員300数十名で3名部屋であったが,現在は160名定員で1~2名部屋である。廊下は70mもあり,現在では建設不可能であるが,認知症高齢者にとっては歩くことができて良い面もある。高い方の介護施設の4階は,若年性認知症(65歳未満)のフロアになっている。事故やケガで脳を損傷した人や脳卒中で麻痺になった人がグループで一緒に生活できるように考えられている。フランクフルト高齢者施設21970年代は,元々,新しい建物群だったが,先駆的役割を果たした。高齢者ケアのための事務所(KDA)を立ち上げ,学術的な専門家や政治家などが集まり構想を練った結果,それを具体的に実現するモデル施設として位置づけられ