ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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高知論叢111号

146高知論叢第111号できない。3歳以上は,学校が終わってからの教育(美術,音楽,ダンス等)を受けるために利用してもらう。障害児の家族単位のプログラムも運用しており(文化活動等),家族を最も大事にする。施設内プログラムだけではなく,地域社会と一緒になって取り組むプログラムもある。外での主な活動は,かつてはキャンペーン(啓発)活動が中心であったが,チラシを受け取ってくれなくなった。現在は,まわりの地域社会に参加して楽しく活動している。重度障害者の場合は,施設が足りないので,個人的に家庭訪問してサービス(掃除や配食など)を提供する。とくに女性障害者の場合,妊娠,出産,通院,子どもの学習支援などを必要とするので,子どもの学習支援については,大学生に英語を教えてもらったり,一緒に遊んでもらったりしている。水治療は,泳ぐことが目的ではなく,治す,良くなるために実施する。健常者も自分の健康のために一緒に利用する。ビジネスの世界で就職活動が難しい人は,19歳になると,施設の中で働けるようにする。職業訓練は,普通は好きな時に来て帰るが,ここでは朝9時から午後まで3年間,学ぶ。障害をもつ青年が成人として自立できるように支援することが目的である。知的障害のある人に対しては,一般の社会生活に適応できるよう訓練する。スタッフがしていることでも,訓練を卒業した人ができることを探す。一般企業は,障害者を雇用する義務があるが(韓国では法定雇用率2.7%,2019年度から3%に引き上げられる),それを達成しないことによるペナルティより雇用する損害の方が大きいと考えて雇用することを嫌う事業主が多い。このセンターのスタッフは,できる仕事として何があるのかを開発することが仕事である。たとえば,ファミリーレストランでは,皿洗いや片づけができるのではないか,病院内ではドアマンができるのではないか,というように考えていく。パン屋では,20名採用されており,専門職,ボランティア,訓練官が一緒になって仕事をしている。必要な補助器具を借りたり,チェックする。このようなことは,全国の総合福祉館で運用されている。スタッフは110名であり,ボランティアは年間3000名が協力してくれている。このセンターは,ソウル市がカトリック財団に委託する形で運営されてお