ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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高知論叢111号

日本の資産構造に関する歴史的研究5図1第一次世界大戦前後の国富内訳(100万円)10,0009,0008,0007,0006,0005,0004,0003,0002,000その他機械鉄道船各省現金工業品農産品家財建物土地1,0000内閣国勢院(1922年)1913年1919年いない。第二に,諸先進国と比較すると,日本では国富に占める農地の割合が大きな部分を占めてきた。図2に1884(明治17)年以降1937(昭和2)年までの国民所得と資本金額を示した。第一次世界大戦期における好景気のなかでに国民所得と資産は大きく伸びた。しかし1926(昭和元)年以降資本金の伸びが国民所得を上回り,昭和恐慌時において国民所得が低落した時期においても資本は低下していない。戦時体制下において国民所得と資本はほぼ同額になっている。これを同時期の欧米と比較すると,欧米諸国の資本,土地ストックは国民所得の数倍に達しているが,日本の資本ストックは1930年代まで単年度の国民所得に及ばず,第一次世界大戦後の10年間,日本の国民所得は長い低迷期を迎えた。1930年代からの戦時・準