ブックタイトル高知論叢111号

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高知論叢111号

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概要

高知論叢111号

71論説効果裁量,計画裁量,及び裁量瑕疵に関する基礎的考察(1)「判断の過程」と「判断の帰結」をめぐって赤間聡1.はじめに2.呉市学校施設使用不許可事件にみる効果裁量,計画裁量統制手法,及び判断の過程3.効果裁量と裁量瑕疵4.計画裁量と衡量瑕疵板ガラス判決にみる衡量過程と衡量帰結の区分論(以上本号)5.コッホの基礎づけ理論における効果裁量と計画裁量板ガラス判決の再構成6.アレクシーの法学方法論における内的正当化と外的正当化7.アレクシーにおけるルールと原理の区分論,及び衡量法則論8.アレクシーの裁量瑕疵論特に過程の瑕疵と帰結の瑕疵,内容上の瑕疵と構造上の瑕疵について9.むすびにかえて1.はじめにエネルギー行政,医療行政,都市計画行政等,現代行政活動が多様化,専門技術化する中で,これら行政活動には,法令上の明文の根拠の有無にかかわらず特にいわゆる規範構造にかかわらず,裁量性が認められる傾向がドイツや我が国などの先進諸国で一般的であるようにみえる1。一方で,こうした行政の裁量行為をどのようにコントロールするのか,という議論は,我が国の学説においては遅くとも1970年代以降,常に現代的なテーマであり続けてきた2。こ12高知論叢(社会科学)第111号2015年10月周知の通り,我が国の要件裁量論やドイツの判断余地論のことである。網羅できないが,最近の文献として,とりわけ本稿が参考にしたものとして,高木光