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概要

112

10高知論叢第112号一般に,F.Fは相続やIPOによって持ち株比率が低下し,ファミリーの影響力は低下傾向をとる。在来業界の衰退と新しい産業分野への投資の遅れによってF.F創業家の影響力は低下する。またファミリー間の抗争,後継者難,人事の停滞によってN.Fとなる傾向もある。F.Fの資産が拡大する場合は以下のような事例がある。1 F.Fがコンツェルン化して持ち株会社となりグループ企業の規模が拡大する。2 F.Fがトラスト化して特定業種の寡占化が進む。F.FがN.Fとなる場合には以下の事例がある。F.FがM&AによってN.Fの経営傘下に入りN.Fとなる場合,財閥本社が廃業し,傘下の会社がN.Fとなる場合である。また,多くの投資家の共同出資により設立した企業や公的資金が投入された企業は設立当初からN.Fとなる事例が多い。財閥を中心としたF.Fの所有割合と経営への関与度合いを図表2?2に示した。株式非公開であった旧財閥本社はファミリーの株式所有割合は多いが,旧財閥図表2-2ファミリービジネスにおける所有と経営所有日本の旧財閥本社住友合資三井合名三菱合資鮎川大川トヨタVW渋沢家経営