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日本のファミリービジネスに関する歴史的研究17高いが,財閥系,非財閥系間で差異はない。経常利益率はN.Fの数値が低く,国営系の6社は全ての数値が低い。総資産は国営系>N.F>F.Fの順である。ROE,ROAの標準偏差はF.FがN.Fより数値が高い。図表3?9は1935年上場企業の財務内容である。国が大株主の企業は6社である。その内訳は,満鉄およびその子会社が4社,その他は朝鮮半島の国策会社である東洋拓殖株式会社と日本製鉄所である。日本製鉄所はかつては国営企業であったが,その後三菱合資などが大株主となった。いずれも国が所有する株式が多くを占める。これら国が大株主となっている企業はROA,ROE,経常利益率ともに他の企業を大幅に下回っているが,総資産は多い。後に外相となる松岡洋右はこの時期には代議士を退き,1935(昭和10)年8月には満鉄総裁に着任しており満鉄系企業の大柱主に名を連ねた。? 2015年のデータからみたファミリービジネス2015年は第一回『会社四季報』(1935年)が刊行されてから80年後になる。『会社四季報』2015年の中からJPX日経インデックス400社のデータを抽出した。JPX日経インデックス400は2014年1月から公表が始まった指数である。東京証券取引所に上場を行っている企業3400社の中から,投資家に魅力の高い銘柄図表3-10 1934(昭和9)-1935(昭和10)年上場企業と国営系企業の経営1935年『会社四季報』により作成(千円)図表3-11上場国営系企業一覧