ブックタイトル112

ページ
24/88

このページは 112 の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

112

22高知論叢第112号図表4-4 ROEの推移(%)ROE2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年FF.O&M12.018.474.673.518.6310.7211.3412.5613.0312.97F.M9.8411.4510.72-0.411.763.765.867.2711.1511.79F.O11.3612.2612.284.615.6510.169.599.5610.4011.07μN.F10.4510.4210.22-0.144.228.156.258.7610.1911.40A29.997.467.67-2.493.673.707.079.5110.4410.52B21.8711.7811.02-3.104.748.517.287.679.7610.14C9.718.879.915.894.347.557.409.268.909.52σF.F 7.27 14.38 33.02 20.05 12.41 14.99 9.55 8.84 7.10 6.80N.F 76.30 6.80 6.06 18.32 10.45 6.82 11.61 5.95 5.43 6.742006年~2015年『会社四季報』により作成安定的な数値である。近年,株主利益を上げる傾向にあり,旧国営系企業には株主利益率を配慮する必要がない事を反映したものであろう。ただし,分散は個別企業の年別変動幅が大きく,不定である。結本稿は上場企業によって公表された1935年と21世紀初頭の財務データに基づき,ファミリービジネスに関する特徴を比較検討した。この両年は,1935年は昭和恐慌から,2015年はリーマン危機から経済が回復過程にある,比較的日本経済が堅調であった年である。1935年,2015年ともにデータの平均値はファミリービジネスは非ファミリービジネスより財務上優れているという結果がでた。2006年からリーマンショクをはさんだ2015年までの経営の推移は,経常利益率,ROA,ROEの平均はF.FがN.Fを上回っている。しかしROAの分散の数値は,ファミリービジネスは非ファミリービジネスより高い数値を示している。ROEの数値は不定であり,ファミリービジネスの経営が優位であるとは断定できない。1935年と2015年を比較するとファミリー企業には相違がみられる。1935年の企業は個人が主要な大株主であるが,2015年には法人大株主が主流となった。また,1935年には財閥系のF.Fの他に,N.Fである南満州鉄道株式会社,東洋