ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

8 高知論叢 第113号への移り変わりを印象づけた。もっとも,ここで注意しなければならないのは,1990年代に入ると,それまで右肩上がりであったコンビニ業界の成長に陰りが見えはじめるようになった点である。チェーン各社が出店拡大戦略を続ける中,この時期より店舗数ならびに売上高の増加率が1桁台に落ち込むようになり,次第にコンビニ業界に対して「成熟化」や「市場飽和説」が語られるようになったのである22。そうし22 例えば,「コンビニ市場の“ 飽和” は近いのか」『東洋経済オンライン』2013年10月10日,日本経済新聞社・日本経済新聞社産業地域研究所『市場飽和説に挑むコンビニ    新しいニーズを探る    』日本経済新聞社,2011年等を参照。また,業界誌の『コンビニ』2013年5月の「(特集)3コンビニ5万店バトル」では,「本当に飽和なのか!?  大量出店で争奪戦に拍車」との見出しで,市場飽和説に対する異論を唱えている。80859095100105110020,00040,00060,00080,000100,000120,0001998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 年店舗数販売額販売額前年比(全店舗) 販売額前年比(既存店)店舗数(店) 販売額(億円)販売額 前年比(%)図1 コンビニエンスストアの期末店舗数と総販売額の推移注:500店舗以上を有するコンビニエンスストアのチェーン企業本部が調査対象。  販売額には,商品とサービスの双方を含む。  2015年より既存店データは捕捉されていない。出所:経済産業省『商業動態統計調査』時系列データより作成(2016年5 月16日閲覧)。