ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

104 高知論叢 第113号(3)岩手県大槌町・大船渡市における取り組み⑨ 旧・大槌町役場旧・大槌町役場は,被災時(午後3時25分),建物上部まで浸水しており,時計が止まっている。岩手県大槌町( 旧役場)2016. 3. 31⑩ 福祉避難施設「らふたあヒルズ」・共生型福祉施設「ぬくっこハウス」(大槌町)大槌町は岩手県内でも被害が最大であり,住宅地の92%が流された。大槌町の仮設住居第1号は,視察時点でも80世帯中60世帯が入居している(2018年3月まで存続)。その横の中学校はぎりぎりの所で被害が出なかった。社会福祉法人堤福祉会が運営する特別養護老人ホーム「らふたあヒルズ」は震災時,福祉避難所としても大きな役割を担った。同法人が運営するサポートセンター「ぬくっこハウス」は別の仮設住居の敷地内にあり,サロンのように使われている共生型福祉施設となっており,元気な高齢者は介護予防にも取り組んでいる。さらに,その隣に設置されている仮設のグループホーム型のシェアハウスは,高齢者が孤立しないよう,多い時は9名が住んでいた。このようなシェアハウスは大槌町内に4ヶ所(40部屋)あるが,2015年度に1ヶ所が終了となった。シェアハウスは,基本的には元気高齢者が対象であるが,要介護1~2の高齢者も利用しており,サービスを組み合わせる人もいる。食事のおかずは,「らふたあヒルズ」から搬入し,米と味噌汁はこのハウスで使用する(スタッフが対応)。