ブックタイトル高知論叢

ページ
108/148

このページは 高知論叢 の電子ブックに掲載されている108ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

高知論叢

106 高知論叢 第113号ことにより,そこが高齢者と子どもの共生拠点となり,イベントではなく,日常的な交流がおこなわれる。その隣には,障害者の別の事業所(通所や作業所)が独立した形で運営されている。現在の保育所(「つつみ保育園」)は2016年4月1日現在で50名が入所しているが,帰町してきている人が多い。合計特殊出生率は,女性で割り返すので,昨年は2.01程度に上がったが,出産世代も流出している。内陸に行った人は,戻りたいと思っている人もいるが,ほとんど戻って来ていない。その影響もあり,2028年には町人口が現在の約12000人から7000~9000人に減少すると見込まれている。海岸部は,震災前は砂浜になっており,観光客が多かった。津波は,天皇宿泊室が最上階にあるホテルの3階までを襲った。「ままりば」は,母親どうしのたまりばとして活用されている。JR 吉里吉里駅は,現在は列車が通らないが,3年以内に復活する予定である。建て替えが予定されている「つつみ保育園」も震災時は避難所となった。保育士ら職員も家を流され,保育所に泊まり込んだ。津波による流木を使って似顔絵が描かれている。保育所の隣には,堤福祉会が土地を無償貸出している仮設住居が25所帯分あり,うち20所帯が今も入居している。今後出てもらう円満な話し合いが済まされており,そこに保育所とサポートセンターの移転,建て替えが行われる予定となっている。大槌町吉里吉里地区には,震災前は約800戸あったが,震災で約250戸くらいが流された。その際,赤色と白色の建物である高齢者施設「三陸園」も避難施設になった。「三陸園」は,特別養護老人ホーム(定員50名),デイサービス(定員30名),在宅部門の事業をおこなっている。民間ヘリコプター用ヘリポート岩手県大槌町(「つつみ保育園」)2016. 3. 31