ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

コンビニエンスストアの全国浸透と地域経済 9た陰りの背景には,バブル崩壊後の長期不況に加えて,首都圏を中心にコンビニの店舗が飽和状態に達したことや,1991年の大店法廃止に伴うスーパーの出店攻勢やドラッグストアの台頭を含む小売業界の競争激化があった23。さらに,2000年代に入ると,図1が示すように,既存店の売上高がついに前年割れを引き起こすようになった。そのため,2010年以降の店舗数の急増が示すように,各社は既存店の売上低迷を一層の新規出店によってカバーする戦略を採るようになってきたのである。こうした成長鈍化と並ぶもう1つの特徴的な動きは,出店地域の変化である。表1は,コンビニ店舗の地域別推移を示したものである。店舗数が最も多いのは関東地域であり,1998年には全国シェアの半分を占めるとともに,販売額も23 金,前掲書,28-31頁。表1 コンビニ店舗の地域別推移店舗数全国計北海道東北関東中部近畿中国四国九州・沖縄実数(店)1998年32,248 2,089 2,074 16,137 3,270 4,721 1,472 382 2,1032006年40,183 2,447 3,085 18,085 4,252 6,099 2,118 680 3,4172015年54,505 2,886 3,885 23,148 6,299 8,225 2,880 1,604 5,578構成比(%)1998年100.0 6.5 6.4 50.0 10.1 14.6 4.6 1.2 6.52006年100.0 6.1 7.7 45.0 10.6 15.2 5.3 1.7 8.52015年100.0 5.3 7.1 42.5 11.6 15.1 5.3 2.9 10.2増加率(倍)1998~2015年1.7 1.4 1.9 1.4 1.9 1.7 2.0 4.2 2.7販売額全国計北海道東北関東中部近畿中国四国九州・沖縄実数(100万円)1998年6,049,221 395,652 368,166 3,135,447 591,584 821,185 275,890 71,383 389,9102006年7,399,009 416,312 501,808 3,526,735 767,866 1,078,262 391,059 105,514 611,4532015年10,995,650 541,974 781,438 4,945,000 1,158,335 1,615,804 584,674 265,646 1,102,779構成比(%)1998年100.0 6.5 6.1 51.8 9.8 13.6 4.6 1.2 6.42006年100.0 5.6 6.8 47.7 10.4 14.6 5.3 1.4 8.32015年100.0 4.9 7.1 45.0 10.5 14.7 5.3 2.4 10.0増加率(倍)1998~2015年1.8 1.4 2.1 1.6 2.0 2.0 2.1 3.7 2.8出所:経済産業省『商業動態統計調査』時系列データより作成(2016年5 月16日閲覧)。