ブックタイトル高知論叢

ページ
113/148

このページは 高知論叢 の電子ブックに掲載されている113ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

高知論叢

被災地域における地域共生拠点と地域づくり 111など,他の従来事業所との関係で十分に理解してもらえなかったが,地域支援事業への移行や地域の福祉従事者の担い手不足ということもあり,徐々に理解が深まった。最初は,共生型という,より新しい事業所が入って来て,何者かという警戒心をもたれた。共生型に対する興味はあったと思うが,ワーカーズは震災後に入って来たので,何者かという感じで見られた。介護初任者の養成研修や,支え合い協議会への参画により,理解が深まった。行政もタテワリ意識が強かったし,岩手県は補助金を受けるのが難しく,県庁から,地元自治体や地元法人の了解を得てほしいと言われた。最初にあいさつ回りした時は,何者という眼で他法人からも見られたが,一緒に活動していくなかで理解を得られるようになった。3年で去ってしまう支援団体もあるなかで,ワーカーズはずっとやってきたので,認めてもらえた。県からの出向や,地域支援事業への移行になりうる取り組みだから,大槌町役場の理解も得られたのだと思う。ただし,日中一時支援の担当はおいてほしいと言われた。この2016年4月から地域密着型サービスに移行したが,予防だけは残している。高齢者の通所事業と日中一時支援は指定をとった。放課後児童クラブは,この2016年4月から指定をとる予定であったが,補助対象として登録が10名以上いるので,年度途中から始めることを検討したい(山間部は10名未満でも可)。子どもが騒ぐと高齢者にとってうるさい面もあるが,うるさくしないようにしたり,子どもが高齢者に対して優しく接する良い面もある。とくに乳幼児に対しては,高齢者から接近する。ケーキ作りは,小中学生ボランティアが協力してくれる。90代の女性は,利用し初めて1ヶ月,週2回の利用であるが,「子どもは賑やか」と言いながらも,8人姉妹で育ったため,子どもが多いことに慣れている。⑫ 共生型福祉施設「居場所ハウス」「赤崎ホッとハウス」(大船渡市)大船渡市末崎町では,社会福祉法人典人会が「居場所ハウス」を設立し(2013年6 月),運営はNPO 法人に任せている。理事長は,ワシントンで居場所づ