ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

被災地域における地域共生拠点と地域づくり 113世代交流の状態になる。20~30代の若いお母さんが赤ちゃんを連れてやってくる。ものづくりもおこなわれるし,土曜や休日には見守りっ子隊(童子クラブ)の活動がおこなわれれる。元教員も来るし,子どもと高齢者が互いに見守り合う。互いに顔を見合わせることにより心が和む。末崎地区は高齢化率が30%台後半で人口4400人,市内で3~4番目の規模の地区である(大船渡市の人口は約4万人である)。漁業の町で温暖であり,雪が降っても積もらない「岩手の湘南」と言われる。被災住民とそうでない住民も今では解消されつつあり,ここでは混じり合う。昼食づくりは有償ボランティアであるが,食器洗いなどできることを手伝う無償ボランティアも協力してくれる。スタッフと住民の区別をしない。朝10時~夕方4時まで,高齢者は一方的なサービスの受け手だけではなく,できることをするというのが,理事長がワシントンで実践したコンセプトである。1日18.5人くらいの利用であったが,20人くらいに増えつつある。顔を合わせて久しぶりに見ることもある。日常的に集まる場所が少ない。いつ来ても良いし,来る人の対象の限定もない。スマイル食堂と朝市の収入と補助金・助成金でアルバイトの人件費を賄っているが,その点は厳しい。震災地域限定(東日本3県)のハード面の補助金はある。学生:ここのイベントはどのように決めているのか?施設:最近は,「こういうことをやりたい」という声を聞いてやっている。学生:居場所づくりは震災前から構想していたのか?岩手県大船渡市(「スマイル食堂」)2016. 4. 1