ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

被災地域における地域共生拠点と地域づくり 117を整える必要がある。学生:DCAT に入る要件は何か?施設:社会福祉士,看護師,介護福祉士等の専門職チームであり,36時間以内に駆けつけられるようにするため,顔の見える関係でないといけない。衛星電話を使用する。石川県のチームは18日目に6名で来てくれた。DCAT の質は,研修によって培われる。マニュアル作りより,思考回路のトレーニングであり,サバイバルである。教員:高知でも南海トラフ地震が心配されるが,どのような取り組みが必要か?施設:まず逃げる,そのための動線と教育が必要である。生きたいのか,死にたいのかをはっきりさせる。はっきり意思表示していた夫婦に対しては支援マップが作られていたので,そうでない夫婦との間で明暗が分かれた。姉が逃げて,本人はスタッフがカバーした例もある。逆に,安全ラインにある中庭に高齢者を集めた結果,全員が津波に飲み込まれたという例もある。大津波警報でも高さ1m なので油断する人もいる。5月20日まで電気が来なかったが,全国各地のレトルトカレーを味わうなど,それなりに楽しい生活を送れた。何が一番大事かをおさえることが重要である。自分の家族の安否がわからないと不安であるが,安全とわかると,それだけで大丈夫。小豆ジャム,梅干し,わかめ,という地域文化に助けられた。地域資源を備蓄した方がよい。学生:認知症の人が混乱しないように気を遣ったことはどのような点か?施設:その方の身内が亡くなっても伝えないようにするが,自分達若い世代より強い。昔は仮設住宅もテレビもなかった。「赤崎ホッとハウス」と同じ敷地内では,同一法人による認知症対応型居宅介護支援事業所(グループホーム)も運営されている。開設当初,グループホームの利用者となる前に避難所となった。現在は4名が被災者であり,残りは地域の人である。キッチンのシンクを2つ作り,利用者と一緒に食事を作る。同敷地内には小規模多機能ホームもあり,2008年に開所した。通い,泊まり,訪問のサービスを組み合わせて利用できる。9名定員である。泊まりは1日に