ブックタイトル高知論叢

ページ
122/148

このページは 高知論叢 の電子ブックに掲載されている122ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

高知論叢

120 高知論叢 第113号自由に入れる。ノルディックウオーキングに,集まって出かけることもある。このサポートセンターが現在のたまり場になっている。A さんは,15分かけて歩いてくる。体操を通じてつながり,いつも体操に来る人が来ないと,「なぜ来なかったのか」と心配してくれる。公営復興住宅はマンション仕様であり,お互いにお茶を飲んだりしない。B さんは今年(2016年)5月に公営住宅ができるので,そちらに移る予定である。A さん,B さんともに,自宅が津波に流された。A さんは車で津波から逃げた。現在は,「しかたのない生活」を送ろうと思っている。A さんは80代であり,老齢基礎年金受給額は月32000円である。買い物は,公営住宅付近にスーパーができたので,以前より利用してしまう(買い物してしまう)。仮設住宅の時は,支援物資の野菜で助かったという。ラジオ体操は被災前はやっておらず,仮設住居住まいになってから始め,今も復興住宅から仮設住居の広場にラジオ体操をしに来ている。公営復興住宅に移ってからは,隣人のインタホンを鳴らすことに「たいへんな勇気」が必要になり,コミュニケーションが難しくなり,ひきこもりがちになった。仮設住居より公営住宅の方が孤独死は起こりやすいという。岩手県大船渡市2016. 4. 2